ポーの一族の舞台を梅田芸術劇場へ見に行った雑感(大千秋楽視聴も追記)

音楽ライブはもはや年間行事だった筆者が、
10年以上ぶりに舞台を見に行きました。
ちょっとだけネタバレも含めつつの感想も含めて記録としてまとめます。

ポーの一族 あらすじ


会社のヅカファンの同僚がわざわざ準備して貸してくれた「ポーの一族」コミック
イギリスの片田舎―森の奥に捨てられた幼い兄妹エドガーとメリーベルは、
館に住む老ハンナに拾われ育てられる。老ハンナたちポーの一族は、
永遠の時を生きる「バンパネラ」の一族であった。正体を見破った村人に取り囲まれた時、
ポーの一族を率いる大老ポーは、存続の危機を救うためエドガーを無理矢理仲間に加えてしまう。
こうしてエドガーは、妹メリーベルも一族に加え、
ポーツネル男爵とその妻シーラを養父母として長い時を生きることとなる。時は流れ、4人は新興の港町ブラックプールに姿を現す。男爵とシーラは、
港町で診療所を開く医師、ジャン・クリフォードを仲間にしようと目論む。
そこでエドガーは、町一番の名家、トワイライト家の跡取りアランと宿命的な出会いを果たすのだった・・・。

引用:https://www.umegei.com/poenoichizoku/

ポーの一族 公演スケジュール

大阪公演:梅田芸術劇場メインホール
2021年1月11日(月祝)~1月26日(火) 祝!無事完走

東京公演:東京国際フォーラム ホールC
2021年2月3日(水)~2月17日(水)
祝!無事完走

引用:https://www.umegei.com/poenoichizoku/

名古屋公演:御園座
2021年2月23日(祝)~2月28日(日)祝!無事完走

引用:https://www.misonoza.co.jp/lineup/month210223.html

ポーの一族 感想

鑑賞者(わたくし)の属性

好きな芸能人:久保田利伸(久保田さんと一緒に年齢を重ねた世代)
最近の人では 星野源 Official髭男dism 千葉雄大の千葉沼を行ったり来たり
(よって、ライブと呼ばれるものについては殆んど音楽ライブしか行かない)

舞台鑑賞歴:学生の頃に団体鑑賞で観た以外では、
10年以上前に上川隆也にハマり数本舞台を見た程度。
(今回見に行った茶屋町アプローズへは、
梅田芸術劇場と併設のシアタードラマシティに、
2009年「ウーマンインブラック」に舞台観劇に行った程度)

ミュージカル鑑賞歴:もはや子供の頃親に連れて行かれた
「子供ミュージカル」と呼ばれるもの以来

ポーの一族のファン歴:疎くてごめんなさいですが、今回コミックで予習をしました。

宝塚歴:観劇は0、しかし「OH タカラヅカ」のテレビを子供の頃観ていてうっすら世界観は知ってる程度。
現地へは子供の頃宝塚ファミリーランドには行った(違
後は伯母にヅカファンあり。東京宝塚によく観に行ってたようです。

ポーの一族鑑賞の感想

上記の属性のワタクシが、久しぶりにミュージカルを見に行きました。
会場までの移動で「三密」を避けるため、単にママチャリでの散策が好きだからというのもあり、
自宅からママチャリに乗って、地元の渡し船にチャリごと乗って小一時間走り、
NU茶屋町の駐輪場に停めてという、小市民丸出しな日常の先にあった梅田芸術劇場。

ここからは現実逃避の世界でした。

会場内は撮影禁止のお達し。
マスク着用は必須。
会場に入る時はチケットを見せる前に検温とアルコール消毒。
パンフレットはクレジットと現金と支払方法別に列を振り分けられての購入
チケットは席番を係員に見せて自分でもぎって入るのかと思いきや、
使い捨て手袋をしている受付の人がもぎってくれました。

会場に入ったら緞帳の所にバラの映像・・ここから現実逃避の世界。
当然こちらも撮影禁止、そして飛沫感染を避けるために会場内での会話も禁止になっていました。

私が行った公演は何度もアナウンスがあってもしゃべってる人が居て、
結構目障りで萎えました。
東京公演、名古屋公演に行かれる人はその場のルールは守りましょう。
喋ってる本人たちは楽しいでしょうが、
ルールを守ってる周りの人間は内心いら立ってる人もいます。
楽しみに来てる気持ちが削がれるので、
本当に「郷に入っては郷に従え」
観に行ってるのは自分たちだけではないという事を理解して欲しいです。
私だってツレがいたらしゃべりたいさ・・・。
自分たちが原因でクラスターになったら・・公演中止になったら・

ってことに考えを巡らせたら、ルール無視はできないと思います。

少々モヤモヤしているうちに、開演のベルが鳴り場内暗転。
宝塚版はDVDを貸してもらったのですが、パソコンでの再生ができなくて未視聴のままでした。

コミックから作品に入って行ったので、ストーリーテラー役の人が出てきたのは意外でしたが、
原作も時代がいつの頃か迷ったので、こういう存在は必要だろうと思います。

森でエドガーとメリーベルが捨てられるところ。
どんな理由捨てられたのかかわかりませんが舞台で見ると、
悲しさ倍増でした。

後から、コミックを読み直しましたが、
ユーシスの母、気持ちは分からなくもないがひど過ぎる。
この人も身勝手な事して、ユーシス産んだやんって思いました。

乳母も辛かったと思います。

劇中で個人的に一番好きだったのは、まだ人間だったエドガーとメリーベルが、
水車で遊ぶところですね。この頃が一番幸せだったのではないかと感じました。

エドガーと老ハンナが並んでいるところ。
会社のヅカファンの同僚が一番見たかったところだなと思って観てました。

そして大老ポーの威厳ある声と風格。
福井晶一さんの貫禄に圧倒されました。
学生の頃から演劇に携わってる人なのかと思ったら、野球少年だったとか、
そして義理のお父様は「モーニンモーニン」やら「1年B組 新八先生」をされてた、
岸田智史(現在は岸田敏志)さんだったこともびっくり。
ちなみに義理のお父様が演じた「新八先生」のクラスの副担任役は、
元タカラジェンヌの遥くららさんでした。

大事に育ててもらった老ハンナがバンパネラと知った時のエドガー、
「人に生まれて人でなくなる」ことが運命づけられる瞬間でした。

今、トウの立ったオバサンの自分だったら
「ずっと若くいられるなんてラッキーやん」と間抜けなことを考えそうですが、
これが何百年と続くとなると、知ってる人がいなくなって、
取り残される孤独感が増していくのでしょう。

それはそれでつらいですね。エドガーやメリーベルの場合は、
子供のうちにバンパネラになるから「いつまでたっても成長しない」と
怪しまれるので、2・3年で引っ越さないといけないというのも、
気持ちが休まらないだろうなと思います。

ブラックプールのホテルに移り住んだポーツネル家の、
「絵に描いたよう」の所は、「コミックで読んだ通り」って思いました。
フランクさんは想像してたより、お若い印象ですが。

アランが牛耳る学校のシーンで、
エドガーが小柄な少年にちゃんと見えてるところは、
宝塚版との一番の違いだろうと思います。
後日YouTubeで宝塚版を見直して改めて思いました。

宝塚版は本当の男性には出せない男性の理想像が集約され、
梅芸版はよりリアルに近い世界観なんだろうなと思います。

色んな役を交代しながら出ている男性陣、
アンサンブルと言うのですが、ダンスの切れがいいです。
プログラムで経歴を拝見して納得、
子供の頃からステージに立ってる人が大半を占めてました。

メリーベルは可憐でかわいいけど、
個人的には切ない役どころのジェインに惹かれました。

ジェイン役の能條さんって乃木坂の人だったんですね。
アイドル出身と思えない演技力だと思ったら、
乃木坂46に入る前も舞台経験があると知って納得。

メリーベルがバンパネラかどうかを試すため、
十字架を取りにいかせようとするところ、
そして、怯むメリーベル。
女性同士のやり取りではここが一番印象的でした。

クリフォードを演じる中村橋之助さんはヅカファンだったんだなぁ。
ご本人は今回初めてのミュージカルで大変緊張されてたと思いますが、
頭の片隅にお父様のことがちらついてしまいました(ゴメンなさい)
役どころは「結婚相手と恋愛は別」の人で、婚約者ジェインの前でも、
シーラに心奪われるところを隠そうともしないのは、
やっぱりお父様を…(以下略)

しかし、シーラの鼓動が聞こえない、
血の流れを感じないと気づいた時からの、
豹変ぶりは流石だと思いました。
橋之助さんも大千秋楽の頃にはブラッシュアップしてるかな?
配信で見たいと思います。

エドガー演じる明日海さんは途中で体の線が分かる衣装があるのですが、
余りの足の細さにびっくりでした。
物語り最後の方で、永遠に孤独の中生き続ける悲しみの場面では、
私も目頭熱くなりました。

アランはいいなずけに似てるメリーベルに惹かれるも、
「私たちと一緒に、時を超えて遠くへいく?」と聞かれ悩むのと、
物語り冒頭でフランクと添い遂げられるなら、
バンパネラになるのも厭わないシーラとは、対照的だなと思いました。

そしてエドガーに血を吸われそうになった時、
なぜ自分がバンパネラの一族に加えられようとしてるのかと、
苦悩するところも、こっちまで苦しくなりそうでした。

ハロルドがアランに階段から落とされる所は
堂本光一の「ENDLESS THE SHOCK」みたく派手に転ぶのかと思いましたが…。
あの階段は大怪我しそうですね。

病に臥せってても女なレイチェルには、
息子だったら失望するだろうな。
コミックで予習をしていた時も嫌なシーンでした。

最後にギムナジウムに入り込んで、100年後も少年として生きてる、
エドガーとアラン。終わらない旅が続いてると見て取れました。

ストーリー以外には、回る舞台の上で、
踊る演者の皆さん。三半規管が強い人でないと、
この舞台に立てないと、思って観てました。
それとも集中力で乗り切れるのでしょうか?
改めて舞台役者の人は、体力勝負だと思いました。

老ハンナと女性霊媒師ブラヴァッキーを演じた涼風真世さん。
大人になってからお金を払ってミュージカルを見たのは、
これが初めてだったので、当然?初見だったのですが、
老ハンナとブラヴァッキーとの違いに圧倒されました。

コミックでも降霊会のシーンはあったけど、女性霊媒師っていたっけ?
と思ったら、こちらは舞台のオリジナルで実在した霊媒師を登場させてるのですね。

「るろうに剣心」で声優されてたり、「板橋マダムス」で個性的な保育士さん役をされてるので、
勿論知ってはいましたが、舞台でのふり幅の広さに尊敬いたします。

そして、このミュージカルを見るきっかけになったともいえる、
アラン役の千葉雄大さん。
ミュージカルの話が公になる前からバレエのレッスン受けてたとか、
バラエティーでカラオケ歌ってて、歌は上手い人と知ってはいましたが、
初めてのミュージカル、ベテラン勢が多い中、
橋之助さんともども頑張ってたと思います。
明日海さんとのデュエットでハモるところが、個人的には「惜しい」と思いましたが、
この後の東京、名古屋と進化されることに期待したいと思います。

思えば2019年に「おっさんずラブin the sky」でそれまで存在は知っていたものの、
まさか沼にハマるとは想像もしてなかったです。
そして昨年の今ごろ、デビュー10周年のイベントに参加出来る人を、羨ましいと思いました。
この時はイベントの日が給料日前だったので、トホホ。
チケットの申し込みすらしなかったので、
あれから1年しないうちに「生ちば」にお目に掛かれたのは、
信じられない思いもあります。

勢いでファンクラブも入ってしまったけど、そのあと後悔するようなことがあったりして
(ついたり離れたりを経験した方、お察しください)
「このチケット外れたら、沼から完全に抜けよう。二次募集も一般発売もスルーしよう。」と思いつつ、
チケットの抽選に応募したら、まさかの一次当選で迷いながらも行くことにしたのですが、
新しい世界を見せてもらい、感謝感謝です。

共演者の人も魅力的な方が多く、
1枚しかチケット取らなかったのが悔やまれます。

超個人的感想を更に書かせて頂きますと、
これからもミュージカルをされたいとの事。
出来たら「おっさんずラブ in the sky」で共演されたものの、
あまり一緒のシーンが無かった、山崎育三郎さんと共演して欲しいなぁ。

また、久保田利伸ファンでもある自分として、
久保田さんと同じ事務所の浦嶋りん子さんと、
コミカルな舞台で共演して欲しいですね。

劇伴も久保田さんと同じ事務所の森大ちゃん(森大輔)だったら、
全米ならぬ全私は泣いて喜びます。
最近大ちゃんは劇伴中心の活動になってるんよね。

ぶっちゃけ「チケット高いな」と思いましたが、
あれだけ豪華なキャスト、そして舞台装置。
手の込んだ衣装に、生のオーケストラとくれば、
あのお値段は安いかもしれません。

宝塚ファンの会社の同僚は、涼風真世さんと、
明日海りおさんだけが好きな人だったものの、
千葉さんのことも「歌がうまいね」と褒めてはりました。

後、メインキャストの宮城県人の年齢不詳ぶりは凄いです。
涼風真世さん千葉雄大さん恐るべし。

出演者が沢山いらっしゃるので、
また、感想が思いついたら追記したいと思います。
思いつく限り追記しました。

ちなみに、超余談ですがこの公演のあと歯医者に行った時に、
治療の前に「うがいにご協力ください」と言われた時、
ミュージカルの余韻の中、
「吸血シーンが多かったけど、舞台裏では必死で皆さんうがいしてたのかな?」
と夢から現実に引き戻されることを考えてしまいました。
実際に首を噛んではいないと思いますが、
かなりな至近距離なので、このご時世衛生面しっかりしないと行けないので大変だと思います。

どうかどうか、名古屋御園座まで完走しますように。

大阪、東京と無事終わりましたね。
公演前は他の舞台は中止や延期になる中、
名古屋公演追加にまでなって
「随分強気やな」と思い、
恐々ながら貴重な舞台、遠征を諦めた人の分も、
「ジモティーが行かねば!」と
謎の使命感みたいなものを抱きながら臨みました。

カーテンコールの明日海さん、千葉くんの、
役とのギャップは面白かったです。
私が行った日は橋之助さんの真似でした。
その後調べてわかりましたが、この時みりちばが披露した所作は、
「六方」と呼ばれるものだそうです。
「豪華」、「華美」、「魅力的」、「見栄」、「粋」、「勇壮」なさまを誇張したものだとか。

日本の古典芸能をエドガーとアランで表現するとはまさにシュールでした。

 

ポーの一族ライブ配信視聴してみて

2月28日のライブ配信を自宅のパソコンで視聴しました。
あぁ、幕間に並ばずにトイレに行けて、コーヒーすすれる幸せ(ぇ)

幕間にうちの母上は昼寝をするという、劇場では出来ないことをしてました。

クリフォード、次回ミュージカルに出るなら声楽の勉強しましょう。

そしてアラン、元々カラオケ大好きな人ですが、
梅芸の舞台の時より進化してたように思います。

舞台ではオペラグラスを忘れてちゃんと見ることが出来なかった、
大道具、小道具、出演者の皆様の衣装。

しかと拝見させてい頂きました。

大老ポーの登場する時の歌。
「みすぼらしい格好は…」とフランクの衣装をたしなめます。
あの格好でみすぼらしいと言われたら、
万年庶民の自分は外歩けません(笑)

シーラ役の夢咲ねねさん。
生まれ変わったらこの人のようになりたいくらいおキレイ。

いや、皆さまどなたもおキレイなのですが、
シーラは際立ってました。

カーテンコールは、予想通り千葉アランウルウル。
梅芸では楽日に見れなかったので、ここで見れて満足です。

そして小池先生と萩尾先生ご登壇。
大千秋楽を実感。

明日海さんっていい人だな~って思える舞台でした。
バンパネラなのに健康に気を付けるギャップ。
ここで皆さん人間なんだと実感。

そしてライブ配信を私に付き合う形で見ていた妹も、
泣いてみてました。

それくらい感動的な舞台を見せて頂きありがとうございます。

終わりがあるから美しい。
でも寂しい。

DVD買おうかな。
多分買います。あの耽美な衣装を落ち込んだ時に見たいです。

コミックは借りてたけど、改めて買い直しました。
段々「ポー沼」にハマって来たのでロスはもぬけの殻かも。

とりあえず、クラスターを起こすことなく、
無事に追われたことお祝い申し上げます。

皆さんに幸あれ。


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