ポーの一族の舞台にコミックスの予習は必要?復習で舞台を妄想してみた

ゴシック調な世界観のミュージカル「ポーの一族」
舞台を見る前にコミックスを読んで、予習はした方がいいか?
復習もしてみるか?
コミックスを読んでまとめたあらすじを含めて、
筆者の舞台化妄想もまとめました。

ポーの一族 舞台のあらすじ

イギリスの片田舎―森の奥に捨てられた
幼い兄妹エドガーとメリーベルは、
館に住む老ハンナに拾われ育てられる。

老ハンナたちポーの一族は、
永遠の時を生きる「バンパネラ」の一族であった。
正体を見破った村人に取り囲まれた時、
ポーの一族を率いる大老ポーは、
存続の危機を救うためエドガーを、
無理矢理仲間に加えてしまう。
こうしてエドガーは、妹メリーベルも一族に加え、
ポーツネル男爵とその妻シーラを養父母として長い時を生きることとなる。

時は流れ、4人は新興の港町ブラックプールに姿を現す。
男爵とシーラは、港町で診療所を開く医師、
ジャン・クリフォードを仲間にしようと目論む。
そこでエドガーは、町一番の名家、
トワイライト家の跡取りアランと宿命的な出会いを果たすのだった・・・。

引用:https://www.umegei.com/poenoichizoku/

ポーの一族を見るために原作のコミックの予習は必要か?

今まで原作も見たことない、
宝塚版の舞台も見ていないなら、
世界観を知るために、原作は読んでた方が、
舞台に入っていきやすいと個人的に思います。

また、舞台を見ることに慣れてる人でも、
外国人の名前になじみが薄い人も、
混乱するところを少しでも減らすという意味で、
読んでみると良いと思います。

ポーの一族のどこが舞台化されているか?

何度もリピートしてる人、原作を読み込んでる人はスルー推奨。

舞台化されているのは、フラワーコミックスの
1巻~5巻で1974年~1976年に発売されたものです。

舞台は時系列に沿って展開されているので、
コミックの順番とは違います。

時系列としては
「メリーベルと銀のばら」2巻
「グレンスミスの日記(冒頭と最後の方のみ)」1巻
「ポーの一族」1巻
「ホームズの帽子」5巻
(降霊会の場面のみ、ポーの一族に含まれる)

降霊会の場面ではブラヴァッキーが舞台では登場しますが、
原作には女性霊媒師は出てきません。
また、原作では降霊した人の子孫の彼氏に妻子がいることを言い当てません(笑)

舞台はギムナジウムにエドガーとアランが、
転校するところで終わっています。

舞台の主ではないところは、
ストーリーテラーの、マルグリットやルイス
バイク・ブラウン4世、ドン・マーシャルの
会話と初盤のダイジェスト化した場面で、
サラッと紹介されてるのみです。

ポーの一族の舞台にならなかったところは見なくていい?

これは人それぞれになると思いますが、
既に舞台を見て、今後実現するかしないかは置いといて、
「舞台化したらどうなるだろう?」と想像するのは、
しばしの現実逃避になるかもしれません。

舞台公演が終わってからDVD発売までの、
「ポーロス」の空虚な気持ちも埋めてくれそうです。

ただ、どこが舞台化されても涙なしでは見れないかも。

ポーの村(1巻)

ポーの村に迷い込んだ、グレンスミスのお話。
バンパネラになったエドガーとメリーベル、
フランクとシーラも生きてた頃の話。
舞台化されたら、グレンスミス演じた加賀谷さんも沢山登場しますね。
話は短めなので、この後の「グレンスミスの日記」と、
あわせての上演になりそう。

グレンスミスの日記(1巻)

舞台のストーリーテラーでもある、
マルグリットとルイスにつながる家族の物語。
エドガーとアランは殆んど登場しないかも。
やっぱり「ポーの村」と合わせての上演がいいなぁ。

すきとおった銀の髪(1巻)

エドガーと同い年のチャールズがメリーベルに恋するお話。
話は短めなので「ポーの村」「グレンスミスの日記」と
一緒に舞台化がいいのかな。
ポーツネル家が永遠に年を取らない事を裏付けます。
チャールズ役は誰がいいかな。
14歳を演じることが出来る成人・・・。
リアリティー出すには10代の人がいいのかな?

エヴァンスの遺書(4巻)

ここは長編。これだけで舞台が1本出来そうです。
エドガーとポーツネル一家が
はぐれてしまう所から始まります。

舞台で登場したオズワルドの孫、
ヘンリーとロジャー登場。
馬車の事故で気を失ったとエドガーをヘンリーが連れて帰ります。
エドガーは記憶を失った状態で保護されます。

オズワルドの孫、ヘンリーはオズワルドの遺書に書かれた、
「エドガーとメリーベルが現れたらすべての資産を付与すべし」
を叶えるべく、自分に子供がいないので養子にしようとします。
ヘンリーは亡き妻に青い目が似てるエドガーを溺愛します。

一方エドガーと離れてしまったメリーベルは、
エヴァンスの親戚筋の子女と仲良くなって、
エヴァンス家に泊まりに来ます。

メリーベルは記憶を失ったエドガーに失望します。
あまり書くとネタバレになるので省略しますが、
エドガーの記憶が戻った時のメリーベルは、
舞台で見た時の可愛さはなく、末恐ろしいものがあります。
これを綺咲愛里さんがどんな表現をされるかも、
見てみたいですね。

ブラックプール以前のお話です。

ペニー・レイン(4巻)

恐らくアランをバンパネラにしたばかりの頃のお話。
エナジーを吹き込んでから、目が覚めるまでが描かれてます。

アランが目覚めるまで、孤独がずっと続くのか否かの、
エドガーの苦悩がうかがい知れます。

エドガーとアランがメインが好きな人は、
ここが一番舞台化希望かもしれないですね。

最後の方に、お人形みたいに可愛いリデルが出てきます。
リデル役は子役か、小柄で可愛らしい舞台女優さんがよさそう。

リデル・森の中(4巻)

エドガーとアランに育てられる少女(幼女?)
リデルのお話。

エナジーが欲しくて襲った?夫婦の遺児だったリデル。
リデルが大きくなるまで、エドガーとアランが、
親代わりでリデルを育てます。

個人的にはエドガー、アランのバンパネラ後のお話では、
一番好きなところです。

ランプトンは語る(4巻)

これも長編で舞台が1本出来そうです。
エドガーとアランは回想シーンと最後の方で出てくるだけです。
アランが人間離れした動きをするのが恐ろしくも神秘的であります。

「ランプトンの肖像画」の顔部分がエドガーそっくりの絵をめぐり、
オービンというバンパネラハンターに呼び寄せられた、
エヴァンス家の子孫、ロジャーにシャ―ロッテ、
舞台ではストリーテラーだったマルグリットの未来の夫となる、
ドン・マーシャルやギムナジウムで、
エドガーとアランの同級生だったルイスとテオ達。

バンパネラを研究してる事が縁で、
舞台ではストリーテラーだったマルグリットは
ドン・マーシャルと結婚することも描かれてます。

しかし、この後悲劇が襲います。
舞台化されたら涙なしでは見られないでしょう。

最後にエドガーの肩に顔をうずめて泣くアラン。
千葉アランが演じたら、こちらも泣かずにはいられないと思います。

ピカデリー7時(5巻)

バンパネラの仲間、ポリスター卿をたずねたエドガーとアラン。
たずねた場所で殺人事件があり、ポリスター卿が育てていた娘、
リリアと出会います。

察しのいい人はポリスター卿がなぜ姿を最後で見せなかったかわかる話。

舞台化するとき誰がリリアやポールを演じるのか見てみたいですね。
バンパネラにも穏やかな人がいるとわかるお話です。

なぜポリスター卿は、リリアを育ててたかが分かると切ないです。

はるかな国の花や小鳥(5巻)

地元の少年たちを集めて合唱団を作ったエルゼリ。
彼女には忘れられない、ひと夏の恋がありました。
彼を思って10年、幸せな記憶と共に生きる女性。

彼、ハロルド・リーにエドガーは密かに会いに行きます。
彼は当時の婚約者と家庭を築き、
エルゼリのことは、すっかり忘れてます。

エドガーはエルゼリを傷つけないように優しい嘘をつきます。

エドガーはメリーベル以外の女性は、
年上の人を好きになる傾向があるととわかります。

エルゼリ役は綺麗な元タカラジェンヌに演じて欲しいですね。

エドガーにまだ人間性が残ってると思わせるお話です。
これも悲しい結末です。

明日海エドガーが、シーラ以外の女性に
どんな慕情を見せるかが見てみたい作品ですね。

ホームズの帽子(5巻)

オカルト雑誌の創刊にあたり企画会議がある、
ジェルソン社長の家に集まった
魔法使いオービンと、降霊術師のクレイバス、
オカルト雑誌編集長のマックに社長令嬢のイゾルテ。

これにエドガーとメイドの女性も加わり、
降霊会が始まります。

そこで舞台で行われた降霊会とは、
まったく違う結末が・・。

ホラーです(笑)

この後、オービンはバンパネラハンターとなり、
「ランプトンは語る」につながっていきます。

一週間(5巻)

ほぼアランが主人公なお話。
エドガーが一週間留守にする間、
二人の女の子と仲良くします(笑)

14歳のちょっとチャラい「人間の少年」の、
等身大な姿…でしょうか?
バンパネラにならなかったらこんな人生も、
もっと謳歌していたのかなアランさん。

重い話が続く中では、ちょっとだけホッコリするお話です。

舞台化したら、映像の時のようなバーチ―が見られるのかな?
ちょっと小悪魔っぽい感じで(笑)

エディス(5巻)

「ランプトンは語る」に登場したロジャーが大人になって登場。
この時は登場しなかったロジャーの兄、ヘンリーも登場し、
兄弟で古物商を営み、年の離れた妹エディスを育ててます。

このエディスはエドガーそっくりな少女。

エディスをエドガーと見間違えてアランは運命的な出会いを迎えます。
エドガーに似てるエディスと過ごすと楽しいアラン。

アランは自分がバンパネラだという事を忘れて、人間に恋をしました。

その裏で、古物商は表の姿で実は別の顔がある、
エディスの兄たち、エヴァンスの店に入り浸る、
年老いたオービンなどの陰謀も渦巻きます。

人間に恋してしまったアランが切ないです。

ここも舞台化したら涙で舞台が見えなくなりそうな話です。

小鳥の巣(3巻)

順番を敢えて一番後にした「小鳥の巣」

シリアスで終わりたい人は、ここでバックブラウザです(笑)

私が一番舞台化して欲しい作品です。

後の作品「ランプトンは語る」にも登場する、
ルイスやテオもエドガーとアランの同級生に出てきます。

文化祭にまつわる怪事件で、またもや悲劇的な出来事が起こります。

お話そのものは、心優しい少年がバンパネラにされて、
すぐに消えてしまう悲しいお話で、
舞台化されたら見ごたえのあるミュージカルになることは、
間違いないと確信しているのですが。

ここで話もクライマックスになるところで、
エドガーが「誰が殺したクックロビン」と言います。
ミュージカルになったら歌になるのでしょうか?
その時は「クックロビン音頭」・・ではないと思いますが(^-^;

このフレーズを聞いたらこちらを思い出す人は、
バブル世代を経験した人なら多いと思います(笑)

私の場合、少女コミックはガチな恋愛や、
「ポーの一族」のようなシリアスな展開より、
ギャグ漫画が好きだったので、「パタリロ!」を
よく読んで集めてました。

時期を同じくして、こちらも舞台化されてますね。

この「誰が殺したクックロビン」を、
明日海エドガーがミュージカルで歌にした日には、
「パタリロ!」先行でこのフレーズを知った人は、
もしかしたら笑ってはいけないけど、
笑いそうになるかもしれない気がします。

「パタリロ!」の作者、魔夜峰央氏は、
「ポーの一族」を一部パロッたのか?
それとも「マザーグース」から引用したのか?

パタリロ先行の「クックロビン」な私は気になります。

なんせ、魔夜先生は、「ポーの一族」の大阪初日に来られた、
「ガラスの仮面」の原作者美内すずえ先生の作品も、
「ガラスのパタリロ仮面」とパロディー化されてます。

頭がパタリロで体が北島マヤ。
若い人や舞台の「パタリロ」しか知らない人は、
ピンと来ないかもしれませんが、
なんともシュールで子供の頃大爆笑しました。

ポーの一族はマザーグースの童謡の歌詞がよく引用されています。
「誰がコマドリ(クックロビン)を殺したの?」
「オレンジとレモン」
「Aはアップル」
「月曜日のこども」など、コミックを見て確認できました。

ポーの一族の舞台にコミックスの予習は必要か?

これから御園座が初見と言う人は、
時間があれば読んでみると良いと思います。

DVD発売までのロスを埋めるもよし、
読み物として楽しむもよしですね。

少女コミックにありがちな、恋愛の要素も含みつつ、
人生哲学をバンパネラを通して学べるところもあると思います。

人生生きてると、生きる事そのものがしんどくなりますが、
バンパネラじゃない自分たちは、早かれ遅かれ「終わり」が来ます。
終わりが来ると、どこかで分かっているから、
日々の色んなことを頑張れるのかも知れません。

昭和40年代からの作品なので、言葉遣いがオバサン「懐かしい~」
って思う所もありますが、その世界観も含めてじっくり見てみて欲しいです。

リアルで「ポーの一族」を知らない世代の人も
この機会に触れてみては如何でしょうか?



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