5月29日放送分の「チコちゃんに叱られる」
ゲストは榊原郁恵さんとISSAさんでした。
うどん屋さんに行ったらある「きつねうどん」のルーツに迫ります。
きつねうどんになぜ油揚げが乗ってるの?
ISSA:うどんがめちゃくちゃ好きな人がうどんだけに飽きて、色んなものを乗っけようとしたんですよ。
チコちゃん:ほうほうほう、例えばどんなもの?
ISSA:例えば、生卵とかわかめだったりとか、そういうもの家じゅう探して冷蔵庫開けたらお揚げさんしかなかったので、乗せてみたら甘いお揚げさんと、うどんの出汁が混ざっておいしいんじゃないのかな・・すいません。
チコちゃん:謝ったけど・・ボーっと生きてんじゃねーよー!
郁恵ちゃんどう思う?
榊原郁恵:きつねさんはお揚げさんが好きだって言うじゃない?
なので揚げが乗っているのはきつねうどんなのよ!
チコちゃん:まぁまぁまぁ…そうなんですけどね。いやいや郁恵ちゃん。鬼の首を取ったように言いましたけど、それがなぜおうどんの上に乗るようになったのか。
榊原郁恵:きつねがなぜ好きなのか、きつねと揚げの関係でしょ?
チコちゃん:違うの 違うの 違うの
岡村隆史:なんで乗るようになったかでしょ郁恵さん。
チコちゃん:揚げときつねはもう解決したの。
こたえ お客さんが勝手に乗っけて食べたから
解説:うさみ亭マツバヤ 3代目 宇佐美 芳宏 (うさみ よしひろ)氏
油揚げをのせたうどんは、諸説あるようですが、
先々代(初代)の宇佐美要太郎氏が、甘辛く炊いた油揚げをうどんに乗せたのが最初と言われています。
江戸時代には
信田(しのだ)=油揚げという、蕎麦やうどんがあったり、
「人心身振八景」三笑亭可楽より
ひしやのそばは「ねぎにあぶら揚げなどを。
「船頭深話」式亭三馬
という記録がありますが、これが現在のような甘辛く煮た油揚げのきつねうどんだったかは定かではありません。
大阪の人に聞くと
現在のきつねうどんは、宇佐美さん所が発祥と認識しているようです。
うさみ亭マツバヤの暖簾にも「手もみ 大阪うどん 元祖きつね」とあります。
うさみ亭マツバヤ初代の、宇佐美要太郎氏は江戸時代創業の「たこ竹」に奉公に出ていました。
要太郎氏が10歳から奉公に出た先の「たこ竹」はすし屋「たこ竹」と「たこ竹」が営むうどん屋さんでした。
要太郎氏はここでうどん作りを叩きこまれました。
しかし、そのうどん屋は閉店することになりました。
要太郎は独立してうどん屋を開業し、そこできつねうどんが生まれました。
誕生から120年現在も引き継がれています。
どのようにきつねうどんが生まれたか?
NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場「きつねがくる」
出演:山西惇 松永玲子
明治26年 大阪
奉公先のたこ竹が閉店し、そこから独立しうどん屋を開業することにした要太郎に、たこ竹の店主は「うどんの出汁のとり方は一人前や。新しくうどん屋を始めるなら、新しいうどんを考えなアカンな。」と言いました。
当時のうどんはネギだけがのった「素うどん」
煮た椎茸や、かまぼこなどのかやくが入った「しっぽく」
あんでとじた「あんぺい」
卵でとじた「けいらん」
うどんが入った茶碗蒸し「小田巻き」などが主流でした。
味にうるさい大阪の町には看板となるうどんが必要でした。
要太郎が店を出した船場(大阪市中央区)は商人の街でした。
商売繁盛の神様、お稲荷さんを信仰する人が多く、
稲荷神社=「こんこんさん」と親しまれていました。
要太郎はこんこんさんの拝殿の前にお供えされた稲荷寿司を見て思いました。
「お揚げさんは縁起がいい言うて、寿司屋にはいなりずしがある。うどん屋にお揚げさんがあってもええかもな。」
妥協を許さなかった要太郎は、すし屋「たこ竹」のいなり寿司の揚げをうどん用にアレンジし、うどんのアテとして食べられる油揚げの味を考え出しました。
この時、要太郎自慢の甘辛く炊いたお揚げさんに、魚のすり身の天ぷらとともにうどんとは別皿で提供していました。
甘辛いお揚げの味は、労働者の多いこの町で受けて、評判になりました。
ある日、お客さんがうどんの上にお揚げさんを落としたので、
味に妥協を許さない要太郎は作り直そうとしますが、お客さんはそのまま食べるといい、食べ始めると「美味しい」といい。
「あっさりとした上品はおだしに、まったりとした甘いお揚げさんのコク。口のなかにこってりと残る余韻。大阪人の求めていた究極の味やわ。」
要太郎氏も渋々食べてみたら「うまい!」
こうして、うどんと甘辛いお揚げが出会い、要太郎氏は更に味を改良して新しいうどんが生まれました。
要太郎氏はこのうどんの名前を考え、稲荷神社の愛称「こんこんさん」と名付けました。
こんこんさんはいつから「きつねうどん」と呼ばれたか?
いつから変わったかは、3代目にも分からないとの事でした。
「大阪のことやから、そんなんどうでもええ(笑)」
チコちゃん、今度うちの店に食べに来てや~
チコちゃん:何回か行かせてもうてます
一般的なうどんと蕎麦は…
きつねは油揚げが乗ったうどんや蕎麦。
たぬきは天かすが乗ったうどんや蕎麦。
大阪では、きつねは油揚げが乗ったうどん。
そして、たぬきは油揚げが乗った蕎麦を指します。
京都のきつねは、油揚げを甘辛く炊いてないきざんだだけの油揚げが乗り、
たぬきはそのきつねをあんで閉じたものを指します。
ちなみに、大阪で京都のきつねうどんを指す時は「きざみ揚げうどん」とも言います。
そして、一般的に「たぬきうどん」と呼ばれるものは、大阪では「はいからうどん」と呼びます。
今回のお店
うさみ亭マツバヤ
電話番号 06-6251-3339
※お問合わせの際はぐるなびを見たとお伝えいただければ幸いです。
住所 〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場3-8-1
感想
こんこんさんが最初の呼び方だったのは初耳でした。
お店のある場所知ってるので、一度行ってみようと思います。